たも2.0

読んだ本の記録、ランの記録など雑記帳になっています

NOVEL11, BOOK18 読んだ本

ダーグソールスターNOVEL11,BOOK18を読んだ。ようやく。奇妙な本だ。独特。語りの位相が普通の小説とは少し違う。全知の視点から登場人物の視点を取らずに語られる語りが結構あるが、普通、そういう視点をとるときには読者に読み進める知識を授けたり、読むことを助ける補助的な役割をとる。この小説でも確かに全知の視点から助けとなる一歩退いた語りがなされることもあるが、あまり参考になる既知でない情報が提供されない。不可思議なまま話が進み、不可思議なままに終わる。主人公のビョーンハンセンがなぜこのような選択をしたのか、また息子がその先どうなるのか、結ばれていた女性との愛は終わりを迎えてその女性はどうなったのか、またその愛の形はどうだったのか、深い考察や語りはあまり提供されない。短い断片が積み重なるだけである。えてして、読後には「はて、これはどういう物語なのだ?」と疑問が残る。疑問が残りつつも、自分の身体の中には確かにこの物語の重みが体積を伴った質量とともにずしりとある。そういう本だった。「人生にはそういうこともある」と安易に口にしてしまってはいけないような、それを言ってしまったらこの物語の大切な何かを失ってしまうような、そんな脆さがある。