はてなブックマークにブクマされるピアノ関係の記事ってどれくらいあるのかなと思って探してみたけれど、そんなに多くなかった。練習方法や教本は門下や先生ごとに信仰じみたものも多いだろうし、議論は収拾がつかなくなる気がする。はてぶで100以上ブクマがついてる記事はこんな感じ。
- 音楽を演奏することは脳にどのような影響を与えるのか? - GIGAZINE
- ピアノ演奏に残された「飛躍的な進化」の余地 | クラシック音楽最前線 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
- 音楽が人間の脳や性格に与える影響は? | ライフハッカー[日本版]
- 東大生の約半数がピアノ経験者 脳科学の観点でも効果は実証 - ライブドアニュース
- 私は大人になってピークがくるピアノを教えています。 - Togetter
- 現役音大生の俺がピアノが上手に弾けるようになるコツ教え樽:ハムスター速報
- 就活から逃げてピアノを始めたらド素人が8ヶ月で最難関の英雄ポロネーズが弾けてしまった話(音源あり) | STORYS.JP(ストーリーズ)
上達メソッド系の記事はあるようで無かった。考えてみれば当然で、メソッドに正解は無いし万人に伝わるようなメソッドも難しいからだろう。テレビで光った鍵盤を押すことで弾けるようになるピアノCMが流れていたけれど、ああいうのも眉唾物だ。脳科学分野の記事は面白いけれど今以上の解明も難しいと聞く。
譜面通りに間違わず弾ける状態はスタート地点だから、ということを前提に話をしたいけれど、それを共有するのも難しい。小さい子供はそれでもいいかもしれないけれど。長期的に取り組まないといけない分野だからこそ、短絡的に結果をとりにいくメソッド系の記事はあまり書けないように思う。むしろ警戒すべき情報かもしれない。
専門的に取り組んでいる人たちと、そうでない人たちとを往復できる言葉遣いが難しい。例えばテクニカルな部分では掌のどこに重心を感じるか、指のどの部分を意識するか、どうやって脱力するか、身体全体の重心を下げるにはどうするか、響いている音のどこを聴くか、等。感覚の問題を言葉で共有して相手が理解したと判断することは難しい。譜読みと解釈の次元ではまた話が複雑になるし、ついている先生が異なればまた話を共有して理解し合うことも難しい。指導者として有能な人に習うことと、プレイヤーとして素晴らしい人に習うのでもまた違ってくる。
活字での教本もある。でも僕は活字情報はなるべく触れないように意図的に避けている。活字から得る情報はイメージが強すぎて固定化し過ぎるきらいがあって、とても怖いから。今でも、見た目から弾き方を指摘されることについては、とても慎重に受け止めている。一度ついた癖は抜けにくいし、なによりイメージには引っ張られやすい。(鏡は練習で使っているし、姿勢や見た目から得られる情報は自分が感じているものよりも正確だという感覚は持っている)
これだけ集合住宅が増えてきて臭いや音漏れに敏感な世の中になってしまったから、練習環境を整えるだけでも大変だ。僕も簡易防音ではもう無理かなと思っているし、今年はユニット型の防音室を入れるならグランドピアノを一緒に入れないと、と考えている。響きの調整をしながら。